「これで文句ない?」

「なんかスカートが皺になりそうだな」


だけどそう言って少し満足そうにする。


「ま、俺は扉が開いた瞬間に見えちゃったんだけど」

「うそ!??」

「うそ」


サラリとした表情で、そういう事をいう杉本。


「あっそ」


だから、あたしも軽く流す。

そんなあたしを見て杉本が小さく笑ったので、なぜかつられて少し笑った。


「なんかさ。やっぱ、久しぶりだよね」


こうやって会うのも。
屋上も。


「んーーー…」


軽く上に伸びをしながら、「そうだな」と杉本が言った。


「なんか最近——…全然、見かけなかったし」

「あ〜〜…、ちょっと忙しかったんだ」

「夏祭りのとき一緒にいたの、彼女?」


ずっと、
ずっと、

ずっと胸の中にしまっていた言葉だったけれど、杉本の顔を見たら結構さらりと出てきた。