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中嶋くんに告白された日から、特に変化のない日々が流れていた。

次の日のバイトは憂鬱な気持ちで向かったけれど、ありがたいことに中嶋くんが今までどおりに接してくれている。

だけどそれは、あの日の返事をきちんとするタイミングも逃していると言うことでもあって…。

ときどき2人きりになると、変にぎこちない気まずい空気が流れてしまって、どうしようかと思う。


「すいません」


いつものように返却されたDVDやBDを整理していたら後ろから声をかけられた。


「あ、はい」


振り返り思わず息をのむ。


「す、杉本!?」

「やっぱ辻か」

「は? なに? どうして??」


突然目の前へ現れたその姿にびっくりして声が裏返りそうになってしまう。


「だって俺、ほら、ここの会員」


杉本はそう言って、あたしの目の前で会員カードをピラピラさせた。

ふむ確かに。

それにここらでレンタル屋がここにしかないってのもあるから、知り合いに会うことはしょっちゅうある。


「びっくりしたー!」


制服じゃない杉本を初めてみた。なんか知らない人のように感じる。

襟元をアレンジしてカットしているのか大きく開いたシャツと、ジーンズ姿だ。お洒落に着こなしていた。