どうやら藤美の生徒が校門付近で、うちの生徒を待っているらしい。



「…あっ!純菜だっ。純菜ちゃ~ん!」



彰が走り出した。



…純菜か。



わざわざ彰に会いにきたのかよ。



少しだけ、羨ましいと思った。



周りがまた騒がしくなる。



「あれ、彰の新しい女かよ…。」

「藤美と付き合えるなんて羨ましいな。」


「彰君の彼女モデルみたいね。」



俺の近くを歩いていた女の言葉に、俺は顔をあげて、目をこらす。


……あの背の高さは……。



間違いなく……杏だ。