赤 青 緑 紫 黄。
この狭い敷地の中に目が痛くなるほど沢山の色が居る。明るい色 悲しい色、元気な色 切ない色。どれもこれも私には無い色。

そんなの初めから持ち合わせていなかった訳じゃない。もしかしたら今だって体の中か脳内か、意外と家の引き出しの中にでもひっそりと隠れているのかも知れない。

でもどこかにあったとしても、見付けられないのなら、思い出せないのなら無いのと同じで。

確かにあった事の存在は覚えているのに、どんなものだっかは覚えてなくて。灰に埋まって今はもう読み取れなくなった、私の色はなんだったのか。