「あっ、おかえり〜」






玄関を開けたらパンをくわえた姉の美紅とバッタリ会った。







「ただいま。お姉ちゃん。浴衣ってある?」









夏祭りは1週間後に控えていた。今更ながら私の持っている浴衣は小さくてダメだったことを気づいた。










「ん?モグモグ……あっ、もしかして夏祭り行くの?誰と?気になるなぁ〜♪」









「ほら、前に話したことあったじゃん。幼なじみの男の子だよ」









そう言うとお姉ちゃんは驚いてパンが思わず口からこぼれて床にポトッと落ちた。










「どうしたの?てか、汚いよ。拾って」








いつも以上に驚いている。これは私が男子と仲良く出来ているということに驚いているんだなと最初は思ったけど共学なんだし女子高の時とは違うってことはお姉ちゃんは分かっているはず。







じゃあ、それ以外に何か問題でも……?