[帰り道。男子side]








「まさしぃ〜。あの、笑顔の破壊力。何か、もうさ、計算しないでやってるなんて思うとあの無意識にやっている所が怖いわ」









両手で顔を抑えていた海斗の様子からまた森山のことかな?と思った。








「付き合っても無いのにノロケやめろ。日向も海斗と森山が付き合っていたと思ったろ?」








「え?マジか。付き合ってるかと思った。なるほどねぇ。だからか。あんたは凄い所に居座ってるんだな。本当、大変だな」










「は?何の話?」









さっき、観覧車の中で冷血女から言われたことを思い出して1人納得した。







「いい?佐々木君。和恋が美術部に入部して来ても、和恋のこと好きになっちゃダメだよ?」







突如そんなおかしなことを言われて何かイラッとした。だって恋愛とか正直言って、どうだっていい。美術しか興味ない俺が人をしかも女子を好きになるとか何年かかっても分からない話だと思ったから。









「お前、意味わからない。何でそんなにあの女に執着してるの?もしや、あの女と一緒にいるあの男のこと好きなわけ?」












俺がそう言うと冷血女は焦ったように話を逸らした。












「……そんなことより!これは約束よ。」













そんな会話をしたなぁ。今思い出してもイラッとする内容だ。












俺の勘が正しければ、あの冷血女はきっとこの海斗とか言うやつのことが好きなんだろな。そんでもってあの女のことも大事なんだろな。