「俺らも行こうか。和恋ごめんって。大丈夫?観覧車行こうぜ。ゆっくりと景色見たら落ち着くかもしれないし」
そう言って私の手を引いた。
「何か今日は素直だね。」
そう言って和恋はニコッと笑ったので俺は思わず抱きしめてしまった。こんな公衆の場で……
「そーゆう可愛いこと言うのは、俺以外の前では絶対、禁止な。約束するって言うまでこのままな」
「ちょっ、恥ずかしい!あと、暑いんだけど。離してよ」
確かに暑いとは思う。だって7月だし?天気めっちゃ今日いいしな。
ただ和恋は自分の笑顔がどれだけ破壊力あるか知らないからそんな可愛いこと言えるんだ。俺の中で独占欲ってやつが働いた。
「約束するけど、可愛いこと言ったつもりないからね」
バーカ。そうやって抵抗する所とか可愛いんだけど。……なんて素直に言えたらな。
とりあえず今は「約束破ったら罰ゲームな」と意地悪なことしか言えない俺のいくじなし。
そう言って和恋を離すと、また困った顔をしていた。コロコロ表情の変わる和恋を見ていると飽きなくて、愛らしくて好きだなと思う。