「よしっ!行こっか!」
小野寺君を先頭にしてその後は色々な所を回った。ジェットコースターや船みたいな乗り物に乗って左右にユラユラ揺れるやつとか……。そこまでは楽しかったんだけど、問題はこれから入るお化け屋敷。
「おいっ、和恋大丈夫かよ。」
黒澤君は小さな声にして私の耳元で囁いた。
「何で私が苦手なこと知っているのよ?!」
唐突の黒澤君の問いかけに驚いてしまった。だって、黒澤君にも遥や美優にも私の大の嫌いなお化け屋敷のことなんて言ったことなかった。だって、皆で行くこと時点、無縁だと思っていたから。
「何でって……そりゃそっか。覚えてないもんな。まぁ、いいや。もしかしたらもう苦手じゃないかもしれたいし、確認がてらに行こうぜ」
「嫌だー!!遥〜!美優〜!助けて」
黒澤君はそう言うと私の手を引っ張ってお化け屋敷の入り口を突破したのである。
「頑張れ〜。和恋!」
お化け屋敷の入り口の向こうでこちらに手を振ってくれている遥と美優を見ると、遥の笑顔は少し愛想笑いに見えたのは気のせいではないと思った。