「ハハッ。何言う出すかと思ったけどそれは無いわ。確かに、黒澤のことは幼なじみとしては好きだけど、そこに恋愛感情として好きになる訳が分からないよ」







美優からの視線をそらして自分のカードへと視線を向けた。







「遥。友達として見ていて言うけど、席近い同士の黒澤君と遥と和恋の関係は三角関係にしか見えないんだよ。黒澤君は和恋が好きで和恋もきっとこのまま行けば付き合うかもしれないし、でもその様子を後ろの席から見ている遥はどこかその様子が嬉しそうで悲しそうでって感じに私からは少なくとも見える」








「……っそれは!」








言葉に行き詰まったのか、遥はカードを持っている手を強く握った。







「遥にだけ言うけど、今の彼と上手くいっているのは一回大喧嘩したからだよ。」







「え?そーなの?」







遥は大きく目を見開いた。






「うん。2年間付き合ってるんだけど1年目くらいの時にクラス違うから噂で、隣の女子といい感じだって聞いてさ私さ浮気してると思って相手の意見聞かないで、勝手に怒っちゃって。しばらく口聞けなくて。でも、委員会絡みだって知った時は私からは謝った。」







「そっか。大変だったね……。でも、今の話と何か関係ある?」






「あるよ。私も遥も変な所で意地を張らない方がいいってことだよ。自分の中で言わないことを溜めているといつか爆発するよ。」








その言葉を聞くと、遥はしばらく下を見たまま止まっていた。