昼食をとるため行こうとしたら
受付カウンターの方から
「あ、若葉。私もお昼だから一緒に食べよう」
声をかけられる。

声をかけてきたのは、フロントスタッフで
私と同期で友人である西田奈々恵だった。

「うん。」
私は、彼女がお昼になるのを待って一緒に
お昼を食べることにする。

社員用には、食堂があるのだがこちらも
レストラン同様に腕利きのシェフが作ってくれているため
リーズナブルに食べられる上に美味しいと評判だ。

セルフサービスになっているので
自分の食べたいのを取ると代金を支払い
席に着いた。

私は、人気の高いカレーライスとサラダ。
奈々恵は、親子丼とサラダにした。

「ねぇ今回も総支配人を捜すのに
ご指名されたみたいじゃない?何か進歩あった?」
食べるなり私にそんなことを聞いてくる奈々恵。

「進歩って……そんなのあるわけないじゃない。
総支配人と私は、そんな関係じゃないし」

「はぁっ?まだ何もないの!?
あんたら焦らすわねぇ~さっさと
くっつけばいいのに」
呆れたように言われてしまう。

焦らすって……

何故か奈々恵は、
私と総支配人がくっつけばいいと思っている。
私が小山さんのことを好きだと知っているくせに。
何故なのかしら?

「無茶言わないでよ……大体。
私が小山さんのこと好きだって知ってるくせに。
勝手にくっつけようとしないでよ」