本当にいいのかしら?
でも総支配人が来るように言われたのなら
行かないとならない。
私は、申し訳ないと思いつつ交代してもらう。
そして901号室に向かった。
着くとチャイムを鳴らす。
すると総支配人が出てきた。
「来たか。入れ」
中に入るように言われる。
「お邪魔します……」
私は、不思議に思いながら恐る恐る入ってみる。
すると……
窓からイルミネーションが綺麗に見える。
そしてたくさんのご馳走とクリスマスケーキが
用意されてあった。
しかも、クリスマスツリーなど部屋も
クリスマスっぽく飾り付けをしてあるじゃないか。
凄い……綺麗。
ど、どうしたんですか?これは……」
私は、驚きと喜びで声が震える。
「お前のために早めに、この部屋を先約して
密かに準備をしておいた。
クリスマスなどは、多忙だからな。お互いに
忙しくてなかなか2人で会えないなら
特別に、このホテルの一室を借りて
祝おうと思ってな。
まぁ、少ししか時間が取れないが……」
「俺からのクリスマスプレゼントだ!」
そう言ってきた。
総支配人は、もうクリスマスのことなんて
どうでもいいんだと思っていた。
でも、違った。
総支配人は、総支配人で
私を喜ばせるために密かに考えてくれていたんだ。
嬉しくて……涙が溢れてくる。