すると
「それは、まだ秘密だ。
言ったらサプライズにならないだろう。
とにかく今日は、遅番なんだ。
迎えに来るまで大人しく待っていろ」
総支配人は、そう言ってきた。
遅番なのに、迎えに来るまで……意味が分からない。
それよりも気になるのは、
サプライズ?
サプライズなのにサプライズと言ってしまう当たり
秘密をバラしてしまうようなものだが……。
あえてそこは、ツッコまなかった。
気になる……総支配人が何を計画してくれたのか。
私は、大人しく引き下がることにした。
早く……迎えに来ないかな。
あれから時間が過ぎて行き夜になった。
フロントもお客の出入りが減り
待機していたら
秘書の藤本さんが現れた。
「あ、藤本さん。お疲れ様です」
もしかして藤本さん迎えに来てくれたのかしら?
「お疲れ様です。
総支配人から伝言です。901号室に来るようにと
仰せつかっております」
901号室?
どうして、スイートルームに?
「でも、仕事が……」
「それなら、私が代わります。
総支配人にも言われていますので」
藤本さんがそう言うと担当を代わってくれた。