ま、まさか!?
慌てて階段の方に向かうとやっぱり居た。
「総支配人。勝手に行かないで下さい。
しかもどちらに向かう気ですか?フロント?
それとも総支配人室ですか?」
「はぁっ?811号室だが……」
「だから811号室は、ここから1つ上ですよ!
下がってどうするんですか!?」
「えっ?そうだったか?」
やっぱり総支配人を1人で行かせるのは、
危険だと思った。間違いなく迷うだろう。
結局私も一緒に着いて行き811号室にお詫びを済ませた。
何とか無事に終えたが何だか疲れてしまった。
「高城。悪かったな。
お前まで付き合わせてしまって」
「いえ……これもコンシェルジュとしての
仕事ですから」
ニコッと微笑んだ。
1人に行かせられないからだけど
言っても本人自覚ないからなぁ……。
すると総支配人は、
「コンシェルジュの仕事か……そうだな」
少し寂しそうな表情をしてきた。
どうしたのだろうか?