あれから夏が過ぎて秋になり
真冬になった。
冬は、クリスマスシーズンってこともあり
ホテルは、稼ぎ時だ。
我がホテルも例外じゃない。
夏もそうだったが、そうなると
総支配人……こと海人さんと一緒に過ごすことも
難しい。
「いいなぁ~カップルは」
私は、あちらこちらでイチャついている
カップルを見ながらため息を吐いた。
「何、萎れてるのよ?
あんただって、総支配人と言う恋人が居るじゃないのよ」
呆れながら言う奈々恵。
「そうなんだけど~」
確かに私と総支配人と付き合いだして
8ヶ月目になる。
しかし、お互い忙しいためなかなか
予定が合わないのだ。
しかも恋人達が盛り上がる
最大イベント・クリスマスの日は、
2人共仕事だった。
他の人に代わってもらうにも
同じコンシェルジュの小山さんは、新婚の上に
生まれたばかりの赤ちゃんが居るし。
代わってほしいと言いにくい。
他の人も忙しくてヘトヘトだろうしな。
総支配人は、総支配人で
仕事であちらこちらに飛び回っている。
これだと、次いつ会えるかも分からないほどだ。
「まぁ、何かサプライズがあるかもしれないし
諦めずに待ちなさいよ!」
そう言って励ましてくれる奈々恵。