そのギャップもさらに
女性からの人気に火をつけている。
声をかけられたら日には、うっかり
勘違いしそうになるぐらいだ。
「しかし、何で行き交うスタッフは、俺を見るなり
いつも人を迷子扱いするんだ?
小さい子じゃあるまいし」
首を傾げながら不満そうに言う総支配人。
「それは……」
頻繁に迷子になっているからですよ。
小さい子供以上に……。
しかしそんなことは……言えない。
「あ、そう言えば。高城。
やっと念願のコンシェルジュになれたんだな?
おめでとう」
えっ?
思わない総支配人からお祝いの言葉を言われて
驚いてしまった。
「ありがとう……ございます」
急におめでとうと言われて
心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
「そうか。もう2年に絶つのか。早いな。
お前がフロントスタッフとして入社してきて。
あの頃から
コンシェルジュになりたいと希望していたしな」
懐かしそうに話してくれる総支配人。
2年……彼は、私が入社してきた年数も
コンシェルジュを希望していたことも全て覚えてくれていた。
さすが記憶力がいいだけはある。
他の女性だと勘違いしてしまうだろうな。
モテモテなのに彼女が居ないとか……不思議だわ。
どうしてかしら?
そう思いながらエレベーターの前まで行くと立ち止まった。
チラッと総支配人を見ると……居ない。
「えっ?ちょっと総支配人!?」
また何処かに行ってしまったじゃないか。