「……んっ……」
何とか抜け出そうとするのに力が
上手く出せない。

むしろ余計頭がボーとしてくる。
酔っているせいだから?それとも……

私は、小山さんが好き。
それは、変わらないはずなのに……
総支配人に抵抗が出来ない。

そんな私を知ってか知らずか
総支配人は、私を口を離すと見つめながら
「何処にも行くな」
切なそうに言ってくる。

えっ……?

驚く私に構わずにまたkissをしてくる。
結局、抵抗もままならず
私は、総支配人に抱かれてしまった。

目を覚ました時には私は、ソファーの上で
総支配人に抱かれた状態のままだった。
どうやらそのまま眠ってしまったらしい……。

「くっしゅん」
肌寒くなりくしゃみをする。

いくら何でも4月に裸のまま
ソファーで眠っていたら風邪をひいてしまうわね。
鼻をすすりながら起き上がった。
二日酔いで……頭痛もする。

しかし、よく転げ落ちなかったものだ。
チラッと見るとまだ総支配人は、眠っていた。
そうか……彼が落ちないようにずっと
抱き締めてくれていたんだわ。

冷静に分析していたが自分のした事を
思い出すと血の気が引いた……。
わ、私なんて大変なことをしてしまったのだろうか。