「えっ?総支配人の家ですか!?」
それは、さすがにまずいと思います。
男女が一晩、一緒に過ごすなんて……。
「ここからなら俺の住んでいる
マンションの方が近い。
一泊ぐらいなら問題ないだろう」
いや、問題があると思いますけど!?
そんな女の私が総支配人の自宅に泊まらせて
もらうなんて、もし誰かに見られたら
誤解されるどころか言い訳ができない。
大体あなたには、婚約者が居るのに…。
「変な心配しなくても別に何もしない。
ただ俺のせいで帰れなくなったのが
申し訳ないだけだ。
とにかくタクシーを呼ぶから待っていろ」
迷っている私にそう言うと強引に決めて
タクシーを呼びに行ってしまった。
いや、別に何もしないって……。
あっても困るが、そう言われると余計
意識してしまうじゃない!!
「来たぞ!早く乗れ」
「あ、いえ……私は、やっぱり……」
「いいから。さっさと乗れ」
そう言うと強引にタクシーに乗せられ
総支配人の自宅まで連れていかれる。
あまりのことで頭がついていけなかった……。
驚いている間にも
総支配人の住んでいるマンションまで
着いてしまった。
確かに近いけど……。