「それよりもささっと元に戻るぞ。
早くしないと終電に間に合わなくなってしまう」
早くしろと急かしてくる総支配人。
「あ、はい。ちょっと待って下さい」
慌てて追いかけた。しかし
すでに終電の時間が過ぎようとしていた。
駅に着いた頃には、
すでに遅く……最後の電車も逃してしまった。
嘘っ……帰れない!?
どうしょう……この状況。
このままじゃ帰れないし、さっきも言った通りに
タクシーに乗って帰ろうかしら?
悩んでいると総支配人が私に
「すまない。俺が迷っていたせいで
終電逃してしまったな」
申し訳なさそうに謝ってくれた。
「いえ……総支配人は、私を気遣って
してくれたことですから。気にしないで下さい」
そもそも、こうなることなら
もっと早く帰るべきだった。
やっぱり今日は、ツイてない……。
「送って下さってありがとうございます。
もう酔いも覚めましたしタクシーでも呼んで帰ります」
ニコッと笑うと頭を下げて立ち去ろうとする。
すると総支配人は、私の腕を掴んできた。
「待て。それだと俺の気が収まらない。
だったら家に来ないか?」
は、はい……!?
思いがけない彼の言葉に驚いてしまう。
一体何を考えているの??