「しかし……」
チラッと私の方を見る総支配人。

誘った以上、断るなんて失礼になる。
うぅっ……奈々恵が変なことを言うから
変に意識してしまう。

「あ、はい。どうぞ」
私は、ニコッと笑って承諾する。

しかし総支配人が食堂に来るとは思わなかった。
いつもは、部屋で済ませているのに……どうして?

周りも総支配人が顔を出したので
驚いてこちらを見ていた。
何だか注目されてしまって余計恥ずかしくなる。

すると奈々恵が
「それにしても珍しいですねぇ~総支配人が
食堂にいらっしゃるなんて?いつもは、
確か部屋で済ましてるとお聞きしたんですが」
気になったことを代わりに聞いてくれた。

ナイス……奈々恵。

「あぁ……たまにはな。
いつもは、忙しいのもあって特別に
ルームサービスの方を頼んでいる。」

そうなんだ……?

「もしかしたら俺が来たら迷惑だったか?」

「えっ?いえ、まさか……そんなことはありません」
慌てて否定をする私。