「だって、総支配人と若葉って
お似合いだと思うんだもの。
いいじゃない。付き合っている訳じゃないんだから
乗り替えたら?」
「そんなの無理よ!!
どう考えても似合う訳がないわよ」
乗り替えるって……他人事だと思って
簡単に言うわね。
そもそも私と総支配人が、何処がお似合いだと言うのよ?
どう考えても不釣り合いでしょ!?
それに彼には、親が決めた許嫁が居る。
チラッと見たことあるけど、九条グループの社長令嬢で凄く綺麗な女性だった。
総支配人には、あぁ言った綺麗で
お嬢様みたいな女性の方が似合っている。
私みたいな地味な凡人が似合う訳がない。
「私は、総支配人は……若葉のこと
まんざらじゃないような気がするのよねぇ~?」
ニヤニヤしながらそう言ってくる奈々恵。
えっ!?
「何でよ……?」
「さぁ、何でしょう?」
さらにニヤニヤする奈々恵。
何よ……そのニヤニヤは?
まんざらじゃないと言われても分からない。
そもそも気があったらアプローチがあるだろうし
何にもない私な、所詮ただの部下でしかない。
「とにかく付き合う気がないから。ってか
私が好きな人は、小山さんだけよ!」
ハッキリと言い切った。