中学に入学したとき、私と同じくらい人見知りで、口ベタな感じの子が前の席だった。
この子となら友達になれそう
直感がそう告げていた。それから、ちょくちょく喋るようになり、しばらくすると、その子と私と、明るくて人懐っこい子で3人のグループになった。
よく考えると、その時が中学校の中で1番楽しい時期だったのかもしれない。
そして...迎えた中間テスト
私は、5教科のうち、私は100点を4つとった。確か、国語だけ97点とかだった気がする。
そのときは中学に入ってすぐのテストということもあって、多少気合いも入っていたし、まぁまぁ勉強もした。嫌味に思えるかもしれないけど、私からすると当然の結果だった。
私はグループで、テストの点数の見せ合いっこをした。
2人は私をこれでもかと言うほど褒めてくれた。
「すごいね!」
「天才だよ!」
「頭良いんだね!」
気持ちのいい言葉に嬉しさと面映ゆい気持ちが合わさって、そのときは最高のきぶんだったのを覚えている。
でも、その時から、2人の私に対しての印象は「頭のいい子」になった。
「やっぱ、賢いと考えることが違うわ〜」
「頭良いのに運動もできるよね!」
「頭の良さ分けてほしいよ〜」
「さすが!私たちとは違うよね」
初めは嬉しかった言葉に少しずつ違和感を覚えた。
特に、「私たちとは違う」と言われた時、
目に見えない「線」を引かれているようで、なんだか、2人が遠くへ行ってしまうようで、怖かった。
2人とも、そんなに賢くはなかった。だからなのかもしれないが、よく定期テストの前に2人で勉強していた。
最初は、私も参加していたが、ワークを進めるスピードが違うので、会話に入れなくなって、3人なのに1人で勉強しているようだった。
「私たち、真理ちゃんみたいに賢くないから、一緒に勉強したら迷惑かけちゃう」
こういう時、そんなことないよっていう言葉は無力だ。