たった4曲だけの短いライブが終わった後。

「ごめんなさいっ!!」

ステージを降りた瞬間、私は海斗と紅志に向かって頭を下げた。

ちゃんと集中して弾いてなかったから、海斗を怒らせてしまった。もしかしたら紅志も内心は怒ってるかもしれないと、心臓が不安でドキドキした。

そしたら。ポンポン、と頭に手のひらの柔らかい感触。

え……?

叱られるとばかり思ってた私は、優しく頭に置かれた手のひらに驚いて、思わず顔を上げた。
そこには海斗の笑顔。

「え?なんで?」

目を丸くして私は問い掛けていた。
見れば紅志も微かに唇に笑みを浮かべている。

「まあな~、あの客の少なさだからな、テンション落ちるのもわかる」

少しだけ眉をハの字にして言う海斗が横に視線を送ると、まあな、と紅志も肩をすくめた。

「だけどな、歌夜。対バンてのはある意味バンド同士の勝負の場なんだぜ?」

「しょ、勝負?」

勝負という言葉に私の胸がザワザワと疼いた。
人差し指を立ててにんまりする海斗。

「そ!観客の中にはさ、俺たち以外の奴らを見に来てる子もいるだろ?その子たちをどれだけ俺らの曲で引きつけられるか、音楽での勝負だ!」

「な~るほど、つまりアレだね。ファンの奪い合いだ?!」

「まあ、そうとも言う」

もともと体育会系の私。勝負という二文字がでただけで俄然やる気が出てきた!!

……って、もうライブ終わっちゃってんじゃん!?ダメじゃん!!