どれだけの時間そうしていたのか、気が付くと歌は終わってた。
あれ?
私の周りにいた人達は、誰もいなくなってた。
でも、目の前には彼等がいた。
ケースにギターをしまい込んでいる男の人と、その隣、煙草を吸う薄茶色の髪の彼。
私は何も考えずにその二人に向かって足を進めてた。
たぶん無表情だったと思う。
ていうか自分でも何やってんだ私?とか思ってたんだけど。
そしたら、近付く私に気付いた二人が顔を上げ、え?って顔したのがわかった。その次の瞬間。
ガシッ!
路上で二人の男の腕を掴み、鬼気迫る顔で襲いかかる私がいた。かなり変な奴だったと思うんだ。案の定、腕を掴まれた二人は驚きの声をあげた。
「「へっ?!」」
「私もやらせてくださいっ!!」
うわ……ヤッバい。変な目で見られてる……。