「あ!」
いつもの海斗の部屋、まったりしていた空気の中で、歌夜が突然叫んだ。
その隣、ソファに沈み込んでる紅志が、眠そうなトロンとした目を歌夜に向けた。
「どした?」
「ねぇ!そういえばこの前のライブ、どのバンドが人気ナンバーワンだったの?」
「あぁ……」
紅志は興味なさそうにあくびを一つ。
ケイに訊けよ、なんて呟いた。
それを受けて、仕方なくため息をついてから珪甫が口を開く。
「結局人気トップは、やっぱりSakuraだった。ま、当然の結果だね。……俺達は同率3位」
「やっぱりそっかぁ~、納得納得!ていうか同率ってどこと?」
「あぁ……音速メテオロイドと同票だって」
「へぇ~!!スゴいね~あのバンドと同票?!」
「まあね」
「あ、じゃあ……もしかして2位は……」
「そう、アイツら」
「くぅ~っ!悔しい!」
憎々しげに、敦士のやろう、なんて呟きながら足をバタバタさせる歌夜。
すると隣の紅志が呟いた。
「そういえばアイツらあのハコ出入り禁止になったぜ」
「「え!?」」
歌夜と珪甫のハモった声にクスリ、紅志が笑った。