私は海斗の腰に腕を回してしっかりくっついた。

「苦しっ!歌夜、強すぎだって!」

「ごごご、ごめん!初めてなもんで!」

やだちょっと照れるんだけど!

私があたふたしてると。背後から紅志の声が聞こえた。

「海斗、歌夜落とすんじゃねぇぞ」

少し、怒ってませんか?!いつもよりトーンが低いんですけど?!

「大丈夫!俺達の大事なベーシスト、守りますよぉ~!」

言い終わると同時に海斗はバイクのエンジンをかけた。

ブォン!

お腹に直接振動が伝わってくる。

「うわっ!ちょっ、コワいっ!もうギブ、ギブ!」

バシバシと海斗の背中を叩いた私の横を、紅志と珪甫の乗ったバイクがものすごい速さでスタートした。

速っっ!マジ速っ!

目を丸くする私に海斗の声が降ってきた。

「行くよ~!」

「え?ぅおっ!わぎゃ……っ!ひぃ~やぁぁぁ~~!!!!」





あっという間、私たちは風の速さで学校を後にしていた………。