「あの~皆さん?お取り込み中申し訳ないんだけどさ」
不意に飛び込んできた声に驚いて振り向くと、呆れ顔の登と葵が並んで立っていた。
「登、葵!どしたの?」
私がキョトンとして問いかけると、はぁ~、と溜め息を一つ吐いてから登が肩をすくめた。
「どしたの、じゃないよ。あんたらこんな校門の前でいつまでもしゃべってんじゃないよってぇの!めちゃくちゃ目立ってんですけど?!先生たちも怪しんでるよ?」
「げっ!マジ?!ヤッバい、見つかったら何か言われる!」
どうしよう?!
急にテンパり始めた私かとは逆に、海斗がのんびりした口調で口を開いた。
「では行きますかそろそろ。さ、歌夜乗って!」
「え?!」
目を丸くした私に、ポンとヘルメットが渡された。
本当に乗って行くの?!
「早く早く!メットかぶって、後ろ乗って!」
ポンポンと海斗が自分のバイクの後ろを叩いた。
「へ?ていうか私が海斗の後ろ……ってなんでケイがそこに座ってんのさ?!」