「あ、コレ?可愛いでしょー!俺の愛車、ハニーだよ!ちなみに紅志のはダーリンって呼んであげて」
「やめろキモい!!」
すかさず言い返す紅志と、ぷくっと頬を膨らませた海斗が跨っているのはバイクだ。しかも大きい!
何ccあるんだろう?バイクに詳しくない私にはいまいちよく分かんないけど……。
「なんでバイク?」
私が訊けば、紅志がニッと笑った。
たった1日会ってなかっただけなのに、すごく久しぶりに口をきいた気がした。
「約束、しただろ?ライブ終わったらバイクでどっか行こうって」
「あ……」
「忘れた?」
「覚えてる、けど……」
「それから他にもあるよ~!」
いきなり海斗の声が割って入ってきた。
他にも約束?した?
私は首を傾げた。
そんな覚え、ない……と、思う。