全力で走った。
これでもかっていうくらい必死に。周りの生徒が次々目を点にしてたけど。
肩で息をしながら、校門まで走ってきた私をニコニコ顔で見つめているのは……。
「海斗!紅志!……珪甫も!?」
あ、珪甫だけは仏頂面だ。
そんな3人に、私は言う言葉が出てこなくて、しばらく無言で呼吸を整えてた。
そしたら意外にもムスッとしたままの珪甫が最初に口を開いた。
「歌夜、てめぇ責任取れよ」
「はい?」
突然意味のわかんないことを口にした珪甫に目を向ければ、彼は海斗を指差して憎々しげに言った。
「こいつ!終業式終わった直後にいきなり現れやがって、俺意味わかんねぇままここまで拉致られたんだよ!当然教室に戻って来ねぇ俺はサボりだと思われるんだっ!」
あぁ……怒ってる。
ていうかそれ私が責任取るの?
「あの……なんでみんなここにいるの?」
私は3人の顔を見回した。そしてもう一言。
「ソレ……スッゴい目立つし……」
私が指差す先にあるのは。