「だから!!私がバンド辞めれば全部解決なの!!」
溢れ出す涙を見られたくなくて、それが目からこぼれ落ちる前に私はそれだけ言い放つと、ベースも持たずに控え室を飛び出した。
「歌夜……っ!!」
誰かが私を呼んだけれど、振り返れなかった。
振り返ったら、走れなくなりそうだったから。
グイッと右手で涙を乱暴に拭って、私はライブハウスから駆け出した。
グチャグチャになった顔も気にせず、キラキラとネオンの輝く夜の街を走り続けた……。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…