「ごめん……、私……今日これでバンド、辞める」
海斗や紅志、珪甫にこれ以上迷惑掛けたくない。
誰かが傷ついたり、泣いたりするのは、もう見たくない。
「な、に、言ってんだ、お前?」
戸惑う紅志の声が。
「歌夜?言ってる意味が、わかんないよ」
海斗の慌てた声が。
そして、何も言わずに私を見つめる珪甫の視線が。
全部が、心に痛かった。
「だって……だって、私がPRISONERにいたら、きっとまたこういうことされる。私が敦士に睨まれて。……紅志のこと、好きになったから、ファンの子悲しませて。なんか全部、全部私のせいだから……」
しゃべりながら目頭がジワリ、熱くなるのを感じた。
視界が、揺れる。
――あぁ、ヤバい。