MCも終わって、再び鳴りだした彼らの音を聴きながら、私はどこか上の空だった。
間近で鳴るドラムの振動につられて、私の心臓もドキドキいってる。
今日のライブまでの出来事を思い出しながら、これから私がしなきゃいけないことを考えていた。
私のせいで、珪甫の手首は傷つけられた。
私のせいで、紅志のギターは弦を切られた。
私が……私が、紅志を好きになったせいで……。
私がみんなに迷惑をかけてる。
私は、ココに居てもいいのかな?
みんなのお荷物にしかなってないんじゃない?
せっかく決めた曲も、最後、やれなかった。
全部私のせい、だよね。
自然と俯いてしまった私の耳には、アップテンポのロックンロールだけが、響き渡っていた――――。