「は~い、音速メテオロイドで~す!!」

一曲終わって、ナオヤさんがオーディエンスに話しかけると、元気な歓声が返ってくる。

にこにこ顔の彼は、えへへ、と笑いながら言葉を続けた。

「いや~、予想外にもトリを任されちゃってビックリしてる俺らなんだけどさぁ。まあ頑張って有終の美を飾るからさ、応援してよね~!」

……ん?なんか、違うような気がするけど、ナオヤさん?

私が首を傾げていると、下手にいるベーシスト、ハルタくんがすご~く冷たい視線でナオヤさんを見つめているのが見えた。

あ、呆れてる?

そう思って隣を見上げれば、海斗も紅志もクスクスと必死で笑いを堪えてる。

しかも珪甫に至っては。

「うちのリーダーといい勝負だな」

なんて半眼になって呟いたりして。