海斗の高く掠れた歌声が、最後の余韻を残して、ラストの曲は終わった。
フッと落ちた照明と共に、たくさんの拍手と歓声に襲われた。
スゴい……。今までで一番の拍手と、歓声。
「なんか……すっげぇ、ありがとう」
照れくさそうな声で、海斗が暗いステージの上、最後にマイクに向かって囁いた。
「それじゃ、この後も楽しんでねー!!」
軽く手を振って海斗はステージを降りる。続いて紅志、珪甫、そして私も。
ステージ裏へ降りた途端、肩の力が抜けてしまった。
PRISONERのライブは、無事、終わった。
終わって、しまった……。