どうやら私の腕の怪我は、紅志と海斗にもバレていたみたいだ。


知ってて、止めないでいてくれたの?


目を丸くしている私の耳に海斗の声が響く。


「じゃラスト“Remember me…”」


深く息を吸った後、紡ぎ出された海斗の声と、アコースティックに持ち替えた紅志のギターの音色。


優しい、柔らかな音が私達の上に降り注いだ。


ベースとドラムが少し遅れて、曲に加わる。控えめに、緩やかなメロディーで。


――なんで……いつも海斗たちには、わかっちゃうんだろう?かなわないや。


私はただ、苦笑いするしかなかった。