薄暗いステージはもう準備が整っていて、私達の居場所だけがぽっかり空いている。
私達は顔を見合わせて自然と輪になっていた。
「……よし、せっかくギター、貸してもらったし。やれるとこまでやってみますか!!」
海斗がニッと口角を上げた。
「だな、やってみるか」
紅志が頷いてギターのストラップを肩に掛けた。
私と珪甫もそれを見てただ頷いた。
「おっけ。じゃあ全力で頑張りましょ!!」
「「「オーッ!」」」
私は自分のベースをギュッと握り締めた。
やってやる!腕の怪我なんて吹っ飛ぶくらい楽しまなきゃ損だもん!
気合い気合い!!
ぐっと拳を握り締め、私は隣にいる紅志を見上げた。
「頑張ろうね!」
「あぁ、当たり前だ」
ふわり、笑った紅志の顔を確認して私はステージへ足を向けた。
さあ、待ちに待ったライブだ!!