え……?
突然横から声が掛けられて、私達4人は同時に振り向いていた。
「使いなよ、これ」
ニッと笑ってそこに立っていたのは。
「ナオヤ、さん……?」
片手に持ったギターを紅志へと差し出して、ナオヤさんは言った。
「ほら。早く行きなよ~、PRISONERがやってくんなきゃ俺がさっき言った言葉、意味ないじゃない」
チューニングはしてあるから、とギターを紅志に押し付けた彼に、紅志は吃驚した様子でありがとうございます、と言ってそのギターを抱えた。
「アッキーから聞いてるよ~、ああいう頭の悪いガキなんかに負けたら許さないからね~俺」
そう言ったナオヤさんはさり気なくウインク一つして、海斗の背中をバチン!と叩いた。
「いてっ!!」
「ほら早く!!時間ないよん」
ナオヤさんに促されるまま私達はステージの袖まで来てしまっていて。
「頑張ってきてね~」
にっこり笑うその顔に送り出された。
な、なんかわかんないけど……ライブが、できる!!?