なに、この人たち?!めっちゃ上手くない?!!
はっきり言って、私、帰りたくなったよ、マジで。
ハンパないんだもん!
あんぐりと口を開けたままの私の横で、同じくSakuraを初めて見た珪甫もポカンとしたままステージを見つめていて。
「マジかよ」
なんて呟きが聞こえてきた。
私も同じこと言いたいよ。
大ショックを喰らってる私たちに、海斗が苦笑いで肩をトントンと叩いて声を掛けてきた。
「おーい、大丈夫かー?」
その横で紅志も苦笑を浮かべて腕を組んでいた。
「大丈夫なわけないよっ!めっちゃ上手いじゃん、あの人たち!」
「ホントだよ、なんであんなのがこれに出てんの?最初からメインに選ばれてもいいくらいなのに」
私と珪甫が交互に口にするのを、まあまあと海斗は両手を振った。
「あいつらがなんで出てんのかは知らないけどさ、俺たちは俺たちの良さを見せるの!もちろんSakuraはすげぇけどさ、俺たちにしかない良さだってあるわけ!わかる?」
にっこり笑って海斗は私と珪甫の頭に同時に手のひらを置いた。
まるで小さい子をナデナデするように。
それから、少し屈み込んで私たちの顔を覗き込む。