私の台詞にみんなが一瞬、目を丸くした。

「なに謝ってんだよ。歌夜が悪いことなんて何もない」

右側に座ってた紅志が、私の頭をコン、と小突いた。それから、海斗も困ったような笑顔で、うんうんと頷いてる。

「バカ……」

珪甫が小声で呟いたのが聞こえた。

「悪いのはぜーんぶ、あのバカ男だっつぅの!!わかる?俺がライブでぶっ潰してやるから!」

そう言って海斗がコブシを握った時、彼の背後にフッと影がかかった。

「へぇ、てめぇなんかに俺らが潰せるんだ?」

「……っ!お前!!」

ニヤニヤ笑う敦士が私たちを見下ろしていた。

ガタン!!

音を立てて立ち上がったのは海斗と、紅志。
二人とも怒りを浮かべた表情で敦士を睨みつけていた。

「何しに来たんだよ?!」

海斗が低く唸るように問えば、下品な笑みを浮かべたままの敦士が珪甫にチラリと視線を向けた。