黒のライダースを着たナオヤさんは私達の顔をグルッと見回してから、海斗に向かって人差し指を向けた。

「ぜってぇ負けねぇかんな!覚悟してろよ~!」

え?いきなりなんでライバル宣言?!
ていうか人を指差さない!

というツッコミは心にしまって。海斗や紅志は一瞬ビックリして目を丸くしたものの、次の瞬間、二人ともニッと不敵な笑いを浮かべていた。

「そっちこそ、覚悟してください。俺ら負けねぇから」

海斗がナオヤさんに向かって言い放つ。

ちょっと~ッ!なんなのこの二人!火花散りそうよ!!

でも絵的にスッゴくイイわぁ~!あぁ~んここにさっきのアキトさんが加われば四天王の出来上がりだよ~!

「四天王って……」

隣で珪甫が呆れた声を出したからびっくりした。

「へ?!なんでわかったのケイ?!」

「いや、あんた口に出してるから」

あれ、しまった!!

呆れた珪甫がふぅ、とわざとらしく溜め息をついた時、ナオヤさんを呼ぶ声が聞こえた。

「ちょっとどこ行ってたんですかナオヤさ~ん!アキトさんずっと外で待ってんですよ~!」

あ!

「ベースの可愛い子!!」

「え?」

しまった!!また声に出しちゃった!