リハ1組目のバンドはもう演奏が終わっていた。どうやらそれが音速メテオロイドだったみたい。
大方ライブのリハって、出演順の遅いバンドから先にやっていくから、私たちは本番が4番目でリハは2番目。

「よし、準備しようぜ」

海斗がそう言って私たちを振り返った時。

「あ~~~っ!!」

突然大きな声が聞こえてきた。

ななな、何っ!?

キョロキョロと声の主を探せば、ふわふわ頭のお兄さんが海斗の肩をガシッ!と掴んでいた。

驚いた海斗が振り返ったそこに立っていたのは。

「アキトさんのバンドの……!」

「そうだよ~!音速メテオロイドのナオヤで~す!」

ニコニコ笑って立っているのは、あの、スンゴイ声を出すボーカリスト兼ギタリストのナオヤさんだった。