午後1時。昼食を済ませた私たちはライブハウス“ORANGE DOTS”に向かった。
今日の出番は5組中、4組目みたい。歩きながら、私の心臓はだんだんドキドキが激しくなってきて、テンションがハイだ。
「あぁ~!!どうしよう!大丈夫かな?」
「だ~い丈夫だって!今まで通りに楽しんでやればいいんだって!」
海斗が私の頭をポン、と叩いてニコッと笑った。それから珪甫に向かって声を掛ける。
「ケイ、もし腕がやばくなったら、ちゃんと教えろよ?!一応バックアップは用意してあるんだからな!」
「そんなもん必要ない」
うわ、あっさりと言った。
「珪甫、無理はすんなよ。みんなお前の心配してんだから」
いつもの黒いハットの下から、柔らかい視線を送る紅志に、珪甫がむ、と口を噤んだ。
「……わかってるよ、そんなこと」
……ぷっ!やっぱり紅志には弱いなぁ、珪甫。
「なに笑ってんだよ、バカ」
「笑ってないよ、ば~か!」
そんな風にふざけあってるうちに、私たちはライブハウスに到着していた。そして。
「あ!」
私は入り口の前に見知った顔を発見して、声をあげてしまった。