「またしても、こ……っの、エロおやじ!!せっかくの紅志の感触がパーじゃないかぁっ!バカ~ッ!」

「ちょっとくらいいいじゃ~ん!!紅志、俺には全然触ってくれないんだも~ん!」

私の右手のビンタを器用に避けながら、海斗はなおもほっぺをスリスリ。

「紅志ったら付き合い長いのに、俺にはそっけないんだも~ん」

「いい加減に、しろっ!このバカ!気色悪いわ!誰がお前に触るかっ!!」

パコーン!

なんともイイ音を立てて、海斗の後頭部に当たったのは……私が今脱いだばっかりのラバーソール。

「いってぇ!!」

「ギャーーッ私の靴!」

「あ、悪い。思わず」

「あんたらマジウザい……」

珪甫の深~い溜め息が聞こえたような聞こえなかったような。



私達は今日もいつも通りのやりとり、いつも通りの笑顔だった。