空は快晴。
真っ青な空を見上げて、私は集合場所である海斗の家に行こうと目線を前に向けた。

そこにいたのは穏やかな微笑を浮かべた紅志。

「紅志?!」

「迎えに来た。まだ用心に越したことはないからな」

そうだった。珪甫だけで終わるとはまだ言い切れないんだ。

「珪甫は?」

「あぁ、珪甫は海斗がバイクで迎えに行った。もう家にいるんじゃね?」

「そっか。って、え?海斗って、バイク乗れるの?!」

「あれ、言ってなかったか?俺も乗れるけど」

さらりとそう言った紅志の顔を見上げて、私はガシッとその腕を掴んだ。

「乗せて!私もバイクに乗りたい!!」

「え?!あ、あぁじゃあこのライブ、終わったら……どっか行くか?」

ふわり、柔らかい笑顔で私を見た紅志。
それがあまりに素敵すぎて私の頬はかぁっ!と熱くなった。

「行く!行く行く!やった~!!」

マジ嬉し~い!!

ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んだ私の横で、紅志が小さくふきだして笑った。