「おい、海斗、コイツ黙らせろよ。なんか誤解されそうなこと言ってる」
紅志が私から目を逸らして一言。その顔が微かに赤くなっていて。
え?私、なんか変なこと言った?
首を傾げたその時。
「は~い、ストップストップ!わかったから」
海斗が両手を上げて私を止めた。
その困ったような、苦笑した顔を見て私は、やっぱりダメなのかも、なんて感じたりして。
横にいる紅志は私からは視線を逸らしたままで、煙草をくわえながらケータイをいじってるし。
私のこと、どうでもいいのかな……。
なんか急に気分が急降下、目頭が熱くなってきた。そんな私を見た海斗が、え?って顔して慌てて立ち上がった。
「なに?なになに!?どしたの歌夜?え?どっか痛いの?」
あたふたしながら私の肩に手を置く海斗に、私は口を開いた。
「なんか、わかんないけど涙が勝手に出てくんだよぉ~。私なんかどうせ、メンバーに入れてもらえない、よなって思っ……」
しゃべりながら涙がボロボロ出てきた。私こんなに涙もろかったっけか?
「待って待って!歌夜!誰がメンバーに入れないなんて言った?」
海斗が慌てた様子で私の顔を覗き込む。
……ん?どういうこと?
私は涙でぐちゃぐちゃのままの顔を上げて海斗の顔を見た。
「だって私、下手くそだったし……っ」
そう言う私の唇に人差し指をあてて、海斗はにっこり笑った。
「歌夜、キミは今日から俺らの仲間だよ」
天使の笑顔でウインクを一つ。
「え……!?」