私はさっきの感覚を思い出す。
自分の奏でたベースの音が紅志のギターと重なった瞬間の、あの高揚感。
体が熱くなったあのハイな気分。
それから……何よりもあの声。
海斗の声。
「……やりたい」
ポツリ、私は呟いた。
「ん?」
海斗が聞き返す。
スウッ、と大きく息を吸い込んだ。
そして私はもう一度言った。
「やりたい!やらせてくださいっ!」
思った以上にに大きな声が出てしまった。
けどちょっとテンションおかしくなってる私はさらに叫び続けた。
「私じゃダメですか?そりゃ初めてだから、下手くそかもしんないけど!でも頑張るから!!お願い!やらせて!」