―――彼女が必死でベースを練習してきたんだってことは、その指を見れば一目瞭然。 赤くなったり、皮が剥けたり……見てるだけで顔をしかめたくなった。 それでも笑顔でベースを弾く彼女を見て、また胸がざわめいた。 その胸騒ぎに気付かないふりをして、俺は彼女をバンドに迎えた。 “PRISONER” このバンドにぴったりな名前。 俺にも、ちょうどいい言葉。