「……で?」
路上ライブが終わった後、片付けをしながら煙草に火をつけた海斗が私を見た。
「え?」
「え?」
私と海斗は交互に間抜けな声を出した。
いやいやいや、何これ?なにが“で?”なわけ?
「あの……どうなんですか?私のベース……」
私は海斗に聞いてみる。
きっとメンバーには入れてもらえないだろうな、なんて思いながら。
すると。
「ん~?」
可愛く首を傾げてしゃがんだままで海斗は私を見上げた。
うわ~!その上目遣いはアンタ犯罪!!
ドキッと飛び上がった胸を思わず手で押さえた。
「なに?胸痛いの?」
不意に海斗が立ち上がって私の顔を覗き込む。
「どれ、見せてみ」
にゅっと海斗の長い指が私のカットソーに。
ペラッ。
―――は?
「な……に、覗いてんだよ!」
ドカッ!!