さて、なんで私が登と一緒にこんなとこにいるか?
それはもちろん、先日の話の続きがしたくて。あの時は海斗に登場で話が別の方にそれてしまったから。
「ね、結局さぁ、登は私のベースが嫌いなの?」
頬杖をついてコーラを飲む登は、チラリと私の方を見て一言。
「んー全部?かな」
しれっとした顔でキツいことを言う。マスカラばっちりの大きな目が私をジッと見る。
私はそのあまりにあっけらかんとした様子に、なんだか笑えてきて。
「ははっ、なんかそこまで言われると気持ちいいかも」
「そ?意外と神経図太いんだ」
「うわ、ひどっ!その言葉まんまあんたに返すよ」
「そりゃどうも」
感情の読めない声で言いながら、トレイの上のバーガーやポテトを食べる登。
「……とにかくさ、もう嫌がらせなんてやめてよ。私、頑張るから」
私は真面目に登の目を見て言う。
すると手を止めた登は、しばらくトレイの上のポテトを見つめ、ふう、と溜め息を一つついた。
その様子だけ見てたら、ホントに女の子みたい。
「ま、仕方ないな、これ以上あんたをイジメて、あの二人に嫌われるよりはマシかな」
登は苦笑いで私を見た。