それから2年近く。
まだ、彼は見つからなかった。

俺のいるバンドはその日で解散が決まってた。
俺意外はみんな年上で、二人は仕事に専念したい。もう一人は別のバンドへ移ってもっと上を目指すって……。

ばーか、お前の腕で上が目指せるかよ。

心の中で吐き捨てた。

奴らの音、最低だった。聴くに堪えない。

だから俺もいつも手抜きしてドラムを叩いていた。




だけどその日、最後の演奏が終わった後にステージから聴こえてきたバンドの演奏に耳が惹きつけられた。