「登!この話はまた今度!!ライブ、また見に来いよ!」

海斗は登の肩をポンと叩いて、私の手を掴んだ。

「歌夜、行くぞ!紅志にはり倒される!じゃあな、登!」

「え、あ、あぁ……」

「ちょっ!海斗、えっ?ま、待ってよ!」

驚く登をその場に残し、海斗は私を引っ張って走り出した!
は、速っ!

私も足の速さ、自信があるけど、海斗もかなり速かった。
足が絡まりそう!

「登!!今度またゆっくり話そ!相談も乗るから!!」

私は呆気にとられて突っ立ってる登に大声で叫びながら片手を振った。
裏門を出る直前、登がかすかに手を上げて答えてくれたような気が、した。

「ってか速い!マジ速いーっ!!」